ドクターコラム

食物アレルギー

食物アレルギーという病気があるかどうかは問題です。食物アレルギーが原因となっている蕁麻疹とか、食物アレルギーによるショックとか、食物アレルギーが原因(?正しくは増悪因子)となっているアトピー性皮膚炎とか言うべきだと思います。もちろん、食物アレルギー=アトピー性皮膚炎ではありません。

それはさておき、食物アレルギーがあると思っている人は20~45%で実際に食物アレルギーある人は1~2%、子供は4%位という米国のデータがあります。思い込みで食事制限をしないで、除去試験、負荷試験をして明かにしてからにしましょう。また、幼児期に卵や牛乳にアレルギーがあっても、成長と供に脱感作が起こり食べられる様になることが多くあります。口からとるもののアレルギーは、脱感作しやすいことがわかっています。つまり、子供の頃(1~2才)まで卵にアレルギーがあっても通常は、殆どの人が食べても平気になります。極くまれに成人でもアレルギーの人もいますが・・日本の報告の5大食物アレルギーは、 ミルク、 卵、 大豆、米 、小麦ですが、欧米の報告では、子供は、ミルク、 卵、 大豆 、チーズ、果物、成人では、ナッツ 香辛料 穀類 野菜 チョコレートによることが多いとされています。

通常行われている血液検査(RAST法)は、診断の助けにはなりますが、絶対的な検査法ではありません。一致することもありますが・・
RAST法が陰性でもその食べ物に反応することがありますし、逆にRAST法が陽性でもその食べ物に反応しないことがあります。食物アレルギー即アトピー性皮膚炎ということでもありません。今、アレルギーがないとそればかり食べさせているとアレルギーを獲得してしまうこともあります。

一般に同じ物を繰り返し摂取することによってアレルギーがおこるとされています。乳児期のミルク、離乳期の卵、コーンスターチ(市販に離乳食)大豆など知らず知らずのうちに同じ物を食べさせていることがあります。卵ダイエットが流行した時には卵アレルギー(蕁麻疹)の患者さんが何人かみえました。回転食といってできるだけ同じものを続けて食べない食べさせないことが食物アレルギーを起こさないためには大切なことです。
食物除去は非常に大変です。また、制限が過ぎると成長障害がおこることもあります。必ず、専門医の指導のもとに行いましょう。