ドクターコラム

冬の乾燥対策

11月になると急に気温が下がってきます。同時に湿度も下がっています。

お肌の乾燥を感じていらっしゃる方も多いと思います。湿度が下がると、皮膚の水分量も低くなりますが、湿度と同じになる訳ではありません。

お肌の水分を保持するメカニズムとは

硬いケラチンタンパク質で出来ている角質細胞ですが、人の肌を触ると柔らかく感じるのは、角質層に約30%の水分が含まれているからです。このように十分な水分を含んでこそ、肌のハリ、なめらかさ、柔らかさを維持することができます。

一般に、皮膚のうるおい(水分量)は皮脂、天然保湿因子、角質感脂質という3つの物質によって一定に保たれています。角質層に保持されている水分のうち2~3%を皮脂膜が、17~18%を天然保湿因子、残りの約80%は、セラミドという角質細胞間脂質によって守られています。ところが、これら3つの保湿因子が加齢などの原因で減ってしまうと、角質層の水分も減少し、皮膚がひどく乾燥した皮脂欠乏症になってしまいます。

さらに、熱い湯に長くつかる、脱脂力の強いボディソープで体を洗いすぎると皮脂と角質細胞間脂質が流れ出てしまうため、お肌は乾燥します。ナイロンタオルなどで擦ったり、過度な毛織は角質層まで傷つけ、水分の保持が難しくなります。さらに、外気や室内の乾燥も影響します。例えば空気中の湿度が50%以下になると角質層の水分が急激に蒸発しやすくなります。肌のつっぱりを感じた時には、すでに肌の水分量が10%以下になっていることもあり、お肌は外部の環境に非常に影響されやすいという特徴があります。こういった生活習慣や暖房の入れすぎなども皮脂欠乏症になってしまう原因の1つと考えられています。

また、驚嘆なダイエットや水分接種の不足も皮脂や水分の材料不足になるので、乾燥の原因となります。

角質層の役割

硬いケラチンタンパク質で出来ている角質細胞ですが、人の肌を触ると堅さよりも柔らかさを感じるのは、20%~30%ほど水分が含まれているからです。

外部からの水分の侵入を防ぐ角質層ですが、体温を一定に保つ為に水分を蒸発させています。
角質層は、体内の水分を汲み上げ、適度の水分は保持しつつ、ある程度の水分を透す機能を持っています。

NMF(天然保湿因子)

角質層に水分を保持する役目を果たしているのがNMFで、殆どはアミノ酸で出来ており、角質が垢になって落ちていく過程で作られていきます。

細胞間脂質

角質層の角質細胞と角質細胞の間で水分を保持する役目を果たしているのが、細胞間資質で、セラミドやコレステロール類など複数の脂質で組成されています。

皮脂膜

角質層を覆い、水分の過度な蒸発を防いでいるのが、皮脂膜です。

対策

一度、乾燥が始まってしまった皮膚や、アトピー性皮膚炎や加齢で皮膚の水分保持能力が低い方には保湿が必要となります。
入浴後、角質層が水分を十分含んだ状態で保湿剤を付ける事をお勧めします。NMFや細胞間脂質、皮脂に近い物質の含有されているのもが保湿剤になりますが、保健が使える物も沢山ありますので、ご相談下さい。

ママも保湿

ママの手は家事や育児で酷使されています。
お子さんに保湿剤を塗ったら、そのまま綿の手袋で保護しましょう。一石二鳥です。
それでも、痒くなったり、切れてしまったら、早めにお薬を付けましょう。主婦の仕事は休めないので、早めの手当が大事です。

二キビと保湿

皮脂の多いオイリー肌だからといって、乾燥肌ではないとは限りません。特にアダルトにきびの場合、肌が乾燥して角質が厚くなり、毛穴をふさぐ結果、皮脂がつまってにきびの原因になっていることが多いです。こういった場合は特に保湿が必要となります。油分が含有されず、保湿成分の含まれた保湿剤もありますので、ご相談下さい。