尋常性白斑
尋常性白斑は色素が抜けて周りより白い部分が全身に見られる疾患です。
症状は口腔内などの粘膜や頭部にも起こります。頭部の白斑では白髪などを伴うことが多いです。発症年齢は幼年期から老年期までいつでも起こります。皮疹の分布から汎発型と分節型に分けられます。
原因
汎発型
自己免疫の異常によってメラノサイトというメラニンを産生する細胞が消失し、その部分の色素が失われると考えられています。
甲状腺機能亢進症などの内分泌異常、糖尿病、悪性貧血などが合併することがあるため、検査が必要です。
分節型
末梢神経からメラノサイトを障害する何らかの神経伝達物質が放出され、そのためメラノサイトがメラニンを産生できずに色素が失われるという説、メラノサイトがメラニンを合成する過程でメラノサイトに毒性を持つ中間の代謝物を産生し、これがメラノサイトを障害する説の二通りの考えがありますが、現在のところはっきりした結論には到っていません。
治療
ステロイド外用・内服
副作用の面から外用療法がまず選択されますが、効果はあまり期待できません。
有効例では3~4ヶ月で色素の再生が見られるので、長期の観察が必要です。内服は副作用の問題からファーストチョイスでは用いられませんが、皮疹の拡大傾向が強いときに用います。
PUVA療法
ソラレンという紫外線の感受性を高める薬を外用・もしくは内服後にUVA領域の紫外線を照射します。効果は内服の方が高いのですが、日中、紫外線に当たるとその部分が日焼けをしてしまうためサングラスをしたり、長袖、長ズボンなどの遮光が必要で外来で行うには難しい治療方法です。
外用では部分的な遮光で済むため外来で行うに適していますが、まだらになったり、正常皮膚が日焼けしてしまってくまどりのようになって、美容状むしろ悪くなることも多いので当院では行っておりません。
ビタミンD3外用
本来、乾癬などの病気に用いられる薬ですが、白斑にも効果が見られることがあります。
副作用はあまり心配しなくて良いので、ご本人の希望によっては投薬しています。
植皮術
分節型に効果があります。白斑部分を炭酸ガスレーザーで剥離し、その部分に採取した正常皮膚を移植します。分節型を完全に治すことができる治療法として、将来性が期待されています。
免疫賦活療法
かぶれ起こすような薬(SADBFなど)をつけて、免疫を活性化しようという方法です。汎発型に有効です。
美観上の対応
子供などではいじめの原因となることもあり、カバーマークといって白斑部分を正常皮膚と同じ色のファンデーションのようなもので塗り隠します。
また、ダドレスという皮膚の角質層に着色させる物質もあります。これはローションタイプの塗り薬で皮膚の角層の3~4層までしみこんで着色するため効果が数日続きます。
ただし、この着色が紫外線を妨げるため、紫外線治療の効果を半減させてしまいますので、紫外線療法中の方には使用できません。
番外(逆転の発想)
病気の進行をむしろ妨げないようにして、全身の皮膚を白くしたほうが美容的には優れている場合もあります。進行が速い場合は、紫外線を避けて、日焼けによるPUVA療法効果を極力さけます。
